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相続登記

相続とは

相続とは

相続とは,死亡等した自然人の財産などの様々な権利・義務を他の一定の自然人が包括的に承継することをいいます。自然人の死亡を原因とするものを相続ということが多い。相続に関する規定には遺言により民法の規定と異なる定めをすることができます。しかし,遺留分規定のように遺言での排除を許さない規定も存在します。

ア 日本の相続制度の考え方

日本では包括承継主義を採用しています。
相続原因の発生と同時に,被相続人と相続人との間で何らの清算手続を経ずに,被相続人の財産が包括的に相続人に移転する形態です。包括承継主義では,被相続人の財産は債務も含めてすべてが承継されるため,負債の相続を回避するためには相続放棄,限定承認が必要になります。

イ 相続の開始

相続は,死亡によって開始します。この死亡には,失踪宣告,認定死亡も含まれます。

(2)相続人になる人

ア 総説

相続人に相続される財産,権利義務の主体だった人を被相続人といいます。被相続人の財産上の地位を承継する人のことを相続人といいます。法律上,相続人を相続開始前には,推定相続人といい,原則として被相続人の死亡により相続人が確定します。相続人となる者は,被相続人の子・直系尊属・兄弟姉妹及び配偶者です。

相続人となる一般的な資格を相続能力といいます。株式会社などの法人は相続能力がありませんが,母親のお腹の中にいる胎児は相続能力があります。

なお,被保佐人が相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をするには,その保佐人の同意を得る必要があります。

イ 相続順位

(1) 被相続人の子(1位)  
(2) 被相続人の直系尊属(2位)
(3) 被相続人の兄弟姉妹(3位)

被相続人の配偶者は,上記の人と同順位で常に相続人となります。同順位の人と相続になるのであって,被相続人の遺言による指定がない限り他順位の人と共に相続することはありません。

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ウ 相続欠格

故意に被相続人や他の相続人を死亡に至らせたり,遺言書を破棄したり書き換えたりするなど第891条に規定される重大な不正行為を行った推定相続人は,被相続人の相続において当然に相続人としての資格を失ないます。これを相続欠格といいます。単に遺産を隠しただけでは,相続欠格者になりません。

【民法891条 相続人の欠格事由】
(1) 故意に被相続人,先順位・同順位の相続人を死亡するに至らせ,または至らせようとしたために刑に処せられた者
(2) 被相続人の殺害されたことを知って,これを告発せず,または告訴しなかった者
※是非の弁別のない者や殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族ならこの規定の適用がなくなる。
(3) 詐欺・強迫により,被相続人が相続に関する遺言を作成・撤回・取消し・変更することを妨げた者
(4) 詐欺・強迫により,被相続人に相続に関する遺言を作成・撤回・取消し・変更させた者
(5) 相続に関する被相続人の遺言書について偽造・変造・破棄・隠匿した者
エ 相続人の廃除

被相続人に対して虐待,侮辱または著しい非行があった場合,被相続人は家庭裁判所に申し立てることによって,その相続権を喪失させることができます。このことを相続人の廃除といいます。相続人の廃除は遺言によって行うことも可能です。廃除された推定相続人は相続権を失います。廃除のできる推定相続人は1028条により遺留分の権利が認められている被相続人の兄弟姉妹以外の推定相続人に限られます。被相続人の兄弟姉妹も推定相続人ですが,これらの人はそもそも遺留分が認められてないので,相続人は902条1項により相続分を指定すれば相続させないようにできることから廃除の対象となっていないのです。


(1) 被相続人を虐待した場合
(2) 被相続人に対して,重大な侮辱を与えた場合
(3) 推定相続人にその他の著しい非行があった場合
【具体例】
・被相続人の財産を不当に処分した
・ギャンブルを繰り返して多額の借金を作って被相続人に支払わせた
・浪費,遊興,犯罪行為,異性問題を繰り返し行い親を困らせる行為
・5年以上の懲役,無期または死刑に該当するような重大な犯罪行為を行い有罪判決を受けている
・相続人が配偶者の場合に婚姻を継続しがたい重大な事由がる場合  
<具体例>  
・愛人と同棲して家庭を省みない不貞行為  
・遺産目当てに戸籍上の夫婦になっている場合
(4) 相続人が養子の場合には縁組を継続しがたい重大な事由
【具体例】
・遺産目当てに戸籍上の養子になっている場合
オ 代襲相続

代襲相続とは,相続が開始する前に被相続人の子供や兄弟姉妹が死亡,相続欠格・廃除より相続権を失ってしまった場合にその人の子供が代わって相続人となります。代襲相続する人を代襲者,代襲相続される人(被相続人)を被代襲者という。代襲者は被相続人の直系卑属でなければなりません。

この代襲相続の問題点として養子縁組前に出生していた養子の子は被相続人の直系卑属ではないので代襲相続することはできません(大判昭和7年5月11日民集11巻1062頁)。なお,相続放棄は代襲原因ではなく,相続放棄をした者の直系卑属は代襲相続人とはなりません。

代襲者である相続人の子が死亡・相続欠格・相続廃除によって相続権を失った場合,孫が代わって相続します。これを再代襲相続と言い,代襲者は直系卑属では延々と続くことになります。対して相続人が兄弟姉妹の場合は,代襲者は甥姪までになります。相続人が直系尊属の場合は代襲相続とは言いません。

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