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遺言

遺言の予備知識

遺言書の変更と撤回について

遺言書は自筆証書遺言か公正証書遺言かを問わず,いつでも変更したり撤回することが可能です。

複数の遺言書がある場合は,どちらの内容が有効なのかという問題があります。また,日付が新しい遺言のみが有効であるとも限りません。一度書いた遺言を変更,撤回がどのように有効なものとなるのか知っておきましょう。

複数の遺言があり,その内容(抵触する部分)が異なる場合は,その部分については日付が新しい遺言書の内容が優先され,変更もしくは撤回したものと扱われます。また,先に作成した遺言書のどこの部分を変更もしくは撤回をするのかを明記しておくと,どちらが有効か問題になることがなくなります。

新たに遺言書を作ることによって,内容を変更もしくは撤回することができますが,次のような場合にも遺言書の内容を変更もしくは撤回したものと扱われることがあります。まず,遺言の内容と異なる処分をした場合があります。例えば,ある相続人に不動産を遺贈するという内容の遺言が存在するが,その後にまったく別の人に売却したような場合には遺言の内容を撤回したものと扱われてしまうのです。

もうひとつの例としては,遺言書そのものを破棄した場合や遺贈の目的物を破棄したような場合も,破棄した部分に関しては遺言を撤回したものと扱われます。

※公正証書遺言の場合は原本が公証役場に保管されているため,お手元の正本や謄本を破棄しただけでは,変更もしくは撤回したのものと扱われません。

遺言書の検認とは

相続人が遺言書を見つけたときは,遅滞なく家庭裁判所に提出して,検認を請求しなければなりません。知らずに開封したり,遺言を執行すると5万円以下の過料に処せられますので,取り扱いには十分に注意しましょう。

家庭裁判所が行う「検認」とは,遺言書の外形を確認して,変造や偽造されることを防止するための手続をいいます。目的は遺言者の遺言であることを証拠として保全することで,遺言の内容が有効なのか,それとも無効なのかを判断するものではありません。

遺言の方式によっては検認が不要で,公文書である公正証書遺言の場合は検認が必要ありませんが,自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は,必ず検認する必要があります。

有効な遺言か,無効な遺言か

家庭裁判所の検認は,遺言の有効無効を判断するものではないため,遺言としての効力を持たせるためには書く内容がしっかりしている必要があるのです。検認を受けなくても遺言の効力にまったく影響しません。また,検認を受けていても内容が無効である可能性があることを認識する必要があるのです。

遺言執行者

自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は家庭裁判所の検認が済んだら遺言の内容を実行することになります。(公正証書遺言の場合は検認が不要)

遺言の中で遺言執行者が指定されていれば相続手続の一切を,遺言執行者単独で行うことができます。なお,遺言執行者の指定は遺言でのみ可能であるため被相続人が生前に指定した人は遺言執行者としては認められず,指定は無効となります。

遺言執行者の定めがない場合は,相続人が遺言執行者の選任を家庭裁判所に申立てることができます。また,遺言執行者が選任されると相続人は執行する権利がなくなってしまい,仮に相続人が執行したとしても無効となります。

遺言執行者の指定がなく,裁判所に選任の申立てをしない場合は相続人自身が遺言の執行をすることになります。しかし,「遺言による認知の届け出」と「相続人の廃除とその取消し」に関しては遺言執行者でしかできない手続になります。

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